【寒露の養生】冷えと乾燥を感じる秋。「補う」セルフケアで冬支度
朝晩の空気が、ひんやりしてきましたね。
10月8日から、二十四節気の「寒露(かんろ)」に入ります。
寒露とは、草木に宿る露が冷たい空気に触れて、今にも霜になりそうなほど冷え込む頃のこと。
秋から冬へ。
季節がまた一歩進む節目です。
最近、こんな変化を感じていませんか?
- 朝晩になると、手足の冷えを感じる
- 肌や喉、唇が乾燥するようになった
- 便が硬くなったり、便秘が気になったりする
- なんとなく疲れやすい
- 気持ちが少し内向きになる
もちろん、こうした変化にはさまざまな原因があります。
一方、東洋医学では、それぞれを別々に見るだけではなく、「季節の変化とカラダのつながり」という視点から捉えることもあります。
今日は、寒露の頃のカラダを東洋医学の視点から見ながら、今の暮らしに取り入れやすい養生をご紹介します。
■ 寒露の頃、東洋医学ではカラダをどう見る?
この時期に意識したいのが、「冷え」と「乾燥」です。
東洋医学では、乾燥によるカラダへの影響を「燥邪(そうじゃ)」、冷えによる影響を「寒邪(かんじゃ)」と呼びます。
暑かった夏を過ごしたカラダに、今度は乾いた空気と朝晩の冷え。
季節が変われば、カラダも少しずつ変わっていきます。
●「気」と「陰(うるおい)」を補う
東洋医学でいう「気」は、カラダを動かすエネルギーのようなもの。
「陰」は、カラダを潤し、養うものとして捉えます。
秋は乾燥しやすい季節。
そのため東洋医学では、寒露の頃は「気」や「陰」を消耗しすぎず、少しずつ補っていくことを大切にします。
●秋は「肺」と「大腸」を意識する季節
東洋医学では、秋は「肺」と関わりの深い季節とされています。
ここでいう「肺」は、現代医学でいう肺そのものだけを指すものではありません。
東洋医学では、呼吸だけでなく、鼻や喉、皮膚などとも関係する働きとして捉えています。
そして「肺」と表裏の関係にあるとされているのが「大腸」です。
そのため、肌や喉の乾燥、便通の変化などが同じ時期にみられるとき、東洋医学では「肺」と「大腸」のつながりからカラダをみることもあります。
●冷えたときは「胃腸」にも目を向ける
東洋医学では、食べたものから「気」を生み出す働きに「脾(ひ)」が関わると考えます。
「脾」は、現代医学の脾臓と同じ意味ではなく、消化吸収などを含めた東洋医学独自の考え方です。
朝晩が冷えてくるこの時期。
冷たいものばかり欲しくなっていた夏から、そろそろ温かいものが心地よく感じられる頃でもあります。
「最近、温かいものが飲みたいな」
そんな自分の感覚も、季節の変化に気づくひとつのサインかもしれません。
●心の変化にも気づいてみる
東洋医学では、「肺」は「悲しみ・憂い」という感情とも関わりがあるとされています。
秋になって、なんとなく気持ちが内向きになる。
そんなときも、
「元気を出さなきゃ」
と無理に変えようとするのではなく、
「今はこんな気分なんだな」
と、自分の心の動きに目を向けてみるのもいいかもしれません。
東洋医学では、寒露の頃は「冷え」「乾燥」「気や潤いの不足」など、いくつかの変化を重ねながらカラダをみていきます。
だからこそ、この季節の養生のキーワードは、
「補う」。
冬に向かって、少しずつ準備を始めていきましょう。
■ 寒露の養生①
「潤い」と「気」を補う食材を取り入れる
薬膳の難しい知識がなくても大丈夫。
まずは、スーパーに並ぶ旬の食材に目を向けてみましょう。
【秋の乾燥する季節に取り入れられる食材】
れんこん、白ごま、梨、はちみつ、豆腐など。
【「気」を補う食材として使われるもの】
栗、さつまいもなどの芋類、かぼちゃなど。
疲れていると、甘いものが欲しくなることもありますよね。
そんなときは、栗やお芋、かぼちゃ、干し柿など、秋ならではの自然な甘みを楽しんでみるのもひとつです。
もちろん、
「甘いものを食べちゃダメ!」
ということではありません。
今の自分は何を食べたいのか。
食べたあと、カラダはどう感じるのか。
そんなことも、ちょっと感じてみてくださいね。
また、朝晩に冷えを感じるようになったら、温かいスープやお味噌汁、白湯などを一品加えてみるのもおすすめです。
■ 寒露の養生②
運動は「心地よい」を目安に
「スポーツの秋」といわれるように、カラダを動かすのが心地よい季節です。
一方、東洋医学では、汗をかくことで「気」や「津液(しんえき)」と呼ばれるカラダの潤いも外へ出ると考えます。
だからといって、
「秋は汗をかいてはいけない」
ということではありません。
ウォーキングやストレッチなど、自分が「気持ちいい」と感じる程度にカラダを動かしてみましょう。
うっすら汗ばむくらい。
呼吸が気持ちよくできるくらい。
その日の体調を感じながら、加減してみてください。
■ 寒露の養生③
「首・手首・足首」を冷やさない
昼間はまだ暑いのに、朝晩はひんやり。
何を着ようか迷う時期ですね。
冷えを感じるようになったら、
- 首にスカーフを巻く
- 手首まで覆う服を選ぶ
- 靴下やレッグウォーマーを使う
など、「首・手首・足首」を冷やさない工夫をしてみましょう。
大切なのは、
「寒露だから温めなきゃ」
ではなく、
「今日はちょっと冷えるな」
と感じたときに、ひとつ足してみること。
夜は湯船にゆっくり浸かったり、お灸でじんわり温めたりするのもいいですね。
■ 寒露におすすめのツボ
お風呂上がりなど、ゆっくりできる時間に触れてみてください。
強く押す必要はありません。
「ここ、気持ちいいな」くらいの力で十分です。
● 足三里(あしさんり)
【場所】
ひざのお皿の下、外側のくぼみから、指幅4本分ほど下がったところ。
東洋医学では、胃腸や「気」と関わりの深いツボとして使われます。
親指でじんわり押したり、お灸で温めたりしてみましょう。
● 太渓(たいけい)
【場所】
内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ。内くるぶしの高さあたりです。
東洋医学では「腎」と関わり、冬に向けた養生でもよく使われるツボです。
足元が冷える日に、自分の足に触れながらゆっくり刺激してみてください。
■ 全部やらなくて大丈夫
寒露の養生のキーワードは「補う」。
でも、今日ご紹介したことを全部やる必要はありません。
「最近、朝だけ足が冷たいな」
「そういえば、唇が乾くようになったな」
「冷たい飲み物より、温かいものが飲みたいな」
そんな小さな変化に気づくことも、立派な養生です。
季節が変われば、カラダも変わります。
去年の秋と今年の秋でも、きっと違います。
だから、
「寒露だから、これをしなきゃ」
ではなく、
「今の私には、何が心地いいかな?」
そんなふうに、自分のカラダに聞きながら選んでみてください。
今日は温かいスープを飲んでみる。
夜は少しゆっくりお風呂に入ってみる。
いつもより早めに布団に入る。
そのくらいからで大丈夫です。
小さな選択を重ねながら、冬に向けて少しずつカラダを整えていきましょう。
冷えや乾燥、だるさ、便秘などの症状が続く場合や、症状が強い場合には、医療機関などにご相談ください。
また、ご自宅でお灸をする際は、やけどに十分ご注意ください。
「今の私、どうかな?」
ときどきカラダに聞きながら。
ゆるっと心地よい養生で、豊かな秋を楽しんでいきましょう。
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