【立冬の養生】冬は「蓄える」季節。東洋医学に学ぶ、カラダをいたわる過ごし方
11月7日は、二十四節気のひとつ「立冬(りっとう)」
暦の上では、いよいよ冬の始まりです。 日中はまだ暖かく感じる日もありますが、朝晩の空気は少しずつ冷たくなってきましたね。 日陰に入ったときや、冷たい風が吹いたときに「あぁ、冬が近づいてきたなぁ」と感じることも増えてきました。 東洋医学では、冬はエネルギーを外へ発散するよりも、内側に蓄えることを大切にする季節と考えられています。 今回は、そんな冬の養生について、東洋医学の「冬蔵(とうぞう)」や「腎(じん)」という考え方とともに、毎日の暮らしで取り入れられる方法をご紹介します。立冬とは? 冬の始まりを知らせる節気
立冬は、二十四節気の19番目にあたり、秋から冬へと季節が移り変わる節目です。 二十四節気は、太陽の動きをもとに一年を24に分け、季節の移り変わりを表したもの。 立冬を迎えたからといって、急に真冬の寒さになるわけではありません。 少しずつ日が短くなり、風が冷たくなり、木々も冬を迎える準備を始めます。 私たちのカラダも、そんな自然の変化の中で日々を過ごしています。東洋医学で考える冬の養生「冬蔵」とは?
東洋医学には、季節の移り変わりと人のカラダを結びつけて考える知恵があります。 そのひとつが、「春生・夏長・秋収・冬蔵(しゅんせい・かちょう・しゅうしゅう・とうぞう)」
という考え方です。- 🌸 春は、芽生え、生まれる季節
- ☀️ 夏は、のびのびと成長する季節
- 🍁 秋は、実りを収める季節
- ❄️ 冬は、エネルギーを蓄える季節
冬と関わりの深い「腎」を意識してみよう
東洋医学では、冬は五臓のうち「腎(じん)」と関わりが深い季節と考えられています。 ここでいう「腎」は、西洋医学でいう腎臓そのものではありません。 東洋医学における腎は、成長・発育・生殖・水分の調節など、生命を維持するさまざまな働きと関わる概念です。 また、加齢によるカラダの変化とも関わりが深いと考えられています。 そのため、東洋医学では冬の養生において「腎を養う」という視点を大切にしてきました。 ただし、冬だから必ず腎が弱くなるということではありません。 冬は寒さが増し、カラダを冷やさない工夫や、十分な休息が大切になる季節。 そんな季節の過ごし方を考えるときに、「腎」という東洋医学の知恵も少し意識してみてほしいと思います。冬の始まり、こんな変化はありませんか?
例えば、- 朝、布団から出るのがつらくなってきた
- 手足やお腹の冷えが気になる
- 寒さで肩や背中に力が入りやすい
- いつもより疲れが残っている気がする
- 日が短くなり、なんとなく気分がすっきりしない
今日から取り入れたい、立冬の養生3つ
それでは、冬を心地よく過ごすために、毎日の暮らしで意識したい養生をご紹介します。 どれも特別な準備が必要なものではありません。 今の自分のカラダや生活に合わせて、できそうなことから取り入れてみてくださいね。① 休息を大切に。冬は「早寝遅起き」
東洋医学の古典では、冬の養生として「早寝遅起き」がすすめられています。 夜は早めに休み、朝は日の光が出てからゆっくり起きるという考え方です。 とはいえ、仕事や家事、子育てなどがあると、なかなか思うようにはいきませんよね。 そんなときは、いつもより15分早く布団に入ってみるのもひとつの方法。 朝起きたとき、布団の中でぐーっと伸びをしてみるのもいいですね。 大切なのは、「早寝遅起きを守らなくては!」と考えることではなく、今の自分に必要な休息を意識すること。 疲れが残っている日は少し早く休むなど、日々の調子に合わせた過ごし方を見つけてみましょう。② 日光と温かさを暮らしの中に
冬は日照時間が短くなり、朝晩の冷え込みも強くなっていきます。 日中に自然の光を浴びることは、睡眠と覚醒のリズムを整えるうえでも役立ちます。 例えば、朝起きたらカーテンを開ける。 洗濯物を干すときに、少し日差しを感じてみる。 お昼休みに、短い時間だけ外の空気を吸ってみる。 そんな日常の小さな行動からでも取り入れられます。 また、冷えを感じるときは、衣服や入浴などで心地よく温めることも冬の養生のひとつです。 湯船に浸かってゆっくり過ごすのもいいですし、忙しい日は足元やお腹を冷やさない服装を意識するのもいいですね。 無理に温めすぎる必要はありません。「今、どこが冷えているかな?」 「どんな温かさが心地いいかな?」そんなふうに、カラダの感覚にも目を向けてみましょう。
③ 冬の食卓に「黒い食材」と温かい料理を
東洋医学の五行説では、冬や腎は「黒」という色と結びつけて考えられています。 そのため、冬の食養生では黒い食材がよく紹介されます。 例えば、- 黒豆
- 黒ごま
- 黒米
- ひじき
立冬におすすめのツボ「湧泉(ゆうせん)」
冬の養生として、足裏のツボ「湧泉(ゆうせん)」もご紹介します。 湧泉は、足の少陰腎経(しょういんじんけい)に属するツボです。 東洋医学では、生命力に関わる「腎」とつながるツボとして知られ、昔からさまざまな目的で用いられてきました。湧泉の場所
足の裏の、つま先寄りにあります。 足の指を軽く曲げたときに、足裏の前方にできるくぼみが目安です。
湧泉のセルフケア
親指の腹を使って、心地よいと感じる程度の強さで、ゆっくり3〜5秒ほど押してみましょう。 力を抜いて、何度か繰り返します。 お風呂上がりなど、リラックスしている時間に取り入れるのもおすすめです。 「手で押すのはちょっと面倒だなぁ」という方は、椅子に座って、足裏でゴルフボールを軽く転がしてみる方法もあります。 ただし、強く踏みつけたり、痛みを我慢してグイグイ押したりする必要はありません。足に痛みや傷、感覚の鈍さなどがある場合は無理に刺激しないでください。 ツボを押すことだけでなく、足裏に触れてみることも、自分のカラダに目を向けるきっかけになります。 足は冷たくないかな? 触れたとき、どんな感じがするかな? そんなことも感じながら、心地よい範囲で取り入れてみてくださいね。まとめ|冬の養生は、今の自分をいたわることから
立冬は、秋から冬へと移り変わる季節の節目です。 東洋医学では、冬はエネルギーを蓄える「冬蔵」の季節。 早めに休むこと、カラダを冷やさないこと、季節の食材を取り入れることなど、冬を心地よく過ごすための養生には、さまざまな方法があります。 もちろん、すべてを取り入れる必要はありません。 まずは今の自分のカラダに目を向けて、気になることや、できそうなことから始めてみてください。「今日は寒いから、温かいものを食べようかな」 「ちょっと疲れているから、今夜は早く休もうかな」そんな小さな選択も、日々の養生につながっていきます。 健康のために特別なことを頑張り続けるのではなく、いつもの暮らしの中で、自分のカラダを大切にしていく。 そんな冬の過ごし方を見つけていきたいですね。 これから少しずつ寒さが増していきます。 みなさんも、ご自身のカラダをいたわりながら、温かく心地よい冬をお過ごしくださいね。