【霜降の養生】秋から冬へ。季節とカラダの変化を感じる

10月23日は、二十四節気のひとつ「霜降(そうこう)」。

朝晩の空気がひんやりとして、少しずつ冬の気配を感じる頃になりました。

最近、こんなことはありませんか?

「朝、布団から出るとちょっと寒い!」

「温かいお茶がおいしくなってきたなぁ」

「そういえば、日が暮れるのが早くなった!」

毎日を忙しく過ごしていると、季節の変化をゆっくり感じる機会は、意外と少ないかもしれません。 でも、私たちが意識していても、していなくても、季節は少しずつ移り変わっています。 そして、私たちのカラダも、その変化と無関係ではありません。 今回は、秋から冬への移り変わりを感じる「霜降」という季節について、東洋医学の考え方も交えながらお伝えします。

何か特別なことを始める前に、まずは今の季節と、ご自身のカラダに目を向けてみませんか?


霜降とは、どんな季節?

霜降は、二十四節気の18番目にあたり、秋の最後の節気です。 2026年は10月23日から11月6日頃まで。 次の11月7日には「立冬」を迎え、暦の上では冬が始まります。 「霜降」という名前のとおり、朝晩の冷え込みが深まり、地域によっては草木に霜が降り始める頃です。 もちろん、熊本ではまだ霜を見る機会が少ない時期かもしれません。 それでも、朝の空気が冷たくなったり、木々の葉が色づき始めたり、日暮れが早くなったり。 身近なところにも、秋の深まりを感じる変化が見つかります。

東洋医学でみる季節の流れ

東洋医学では、秋は「収(しゅう)」、冬は「蔵(ぞう)」の季節と捉えます。 秋の「収」は、外へ広がっていたものを内側へ収めていくこと。 冬の「蔵」は、蓄え、守ること。

春に芽吹き、夏に成長し、秋に実り、冬に静かに力を蓄える。 そんな自然界の流れを、人の暮らしや養生にも重ねて考えてきました。

霜降は、まさに秋の「収」から冬の「蔵」へと向かう時期なのです。

霜降の頃、カラダにはどんな変化が起こりやすい?

東洋医学には「天人相応(てんじんそうおう)」という考え方があります。 人も自然の一部であり、自然界の変化と人のカラダは互いに関係している、という考え方です。 例えば、暑い夏には汗をかいて熱を逃がし、寒くなると血管が収縮して熱を逃がさないようにする。 私たちのカラダには、周囲の環境に合わせて働く仕組みがあります。 では、霜降の頃には、どのような変化が起こりやすいのでしょうか?

① 冷え込みによって、カラダが縮こまりやすくなる

朝晩の気温が下がってくると、思わず肩をすくめたり、背中を丸めたりすることがあります。 寒いときにカラダを小さくするのは、熱を逃がさないようにする自然な反応のひとつです。 ただ、寒さを感じる時間が増えると、肩や首まわりの筋肉に力が入り、こわばりを感じることもあります。 鍼灸やどりぎでも、施術中にお客様のカラダに触れると、ご本人は力を入れているつもりがないのに、ギュッと緊張していることがあります。 これは季節に限ったことではありませんが、寒くなる時期には、そんな無意識の力みにも目を向けてみたいですね。
「そういえば、肩が上がっているかも」
そんな小さな気づきが、自分のカラダを知るきっかけになります。

② 空気の乾燥が、のどや鼻、肌に影響する

秋が深まるにつれて、空気の乾燥も気になるようになります。
  • 「朝起きるとのどが乾いている」
  • 「手や足の肌がカサカサする」
  • 「唇が乾きやすくなった」
そんな変化を感じる方もいるのではないでしょうか。 東洋医学では、秋は「肺(はい)」と関係の深い季節と考えられています。 ここでいう「肺」は、現代医学でいう肺という臓器だけではなく、呼吸や皮膚、鼻などにも関わる働きを含んだ東洋医学独自の概念です。 そして、秋に気をつけたいものとして「燥邪(そうじゃ)」があります。 燥邪とは、乾燥によってカラダのうるおいが損なわれると考える、東洋医学の捉え方です。 乾燥した空気は、実際にのどや鼻の粘膜、肌などにも影響します。 季節が変わることで、今まで気にならなかった乾燥を感じるようになるかもしれません。 そんなときは、まず自分のカラダのどこに変化があるのか、気づいてみることから始めましょう。

③ 寒暖差に合わせて、カラダが調節を続けている

霜降の頃は、朝晩は冷えるのに、日中は暖かいという日もあります。 朝は上着が必要だったのに、昼間は少し汗ばむ。 そんな日もありますよね。 私たちのカラダは、気温の変化に合わせて血管の収縮や発汗などを調節し、体温を一定に保とうとしています。 その調節には自律神経も関わっています。 ただし、疲れやだるさなどの原因は、気温の変化だけとは限りません。 睡眠や食事、日々の忙しさなど、さまざまな要因が関係します。 だからこそ、「季節の変わり目だから仕方ない」と決めつけるのではなく、今の自分の様子を確かめてみることが大切です。

霜降の養生。今の自分に合うことを選んでみよう

ここまで、霜降という季節と、カラダに起こりやすい変化についてお伝えしました。 では、実際にどんな養生を取り入れたらよいのでしょうか? 今回は、日常生活の中で気軽に取り入れられる3つをご紹介します。

① カラダのこわばりが気になったら、やさしく触れてみる

寒さで肩や腕が縮こまっているなと感じたら、服の上から手のひらでやさしく撫でてみましょう。 東洋医学には、カラダの中を「気」や「血」が巡る通り道として「経絡(けいらく)」という考え方があります。 腕の内側の親指側には、秋と関係の深い「肺」に属する経絡、「手の太陰肺経(て の たいいん はいけい)」が通っています。 このラインを意識しながら、腕や肩まわりにやさしく触れてみるのもいいですね。 強く擦る必要はありません。

「ここは冷たいな」「意外と力が入っているな」 そんなふうに、触れながら今のカラダを感じてみてください。

② 乾燥が気になったら、食事や飲み物にも目を向けてみる

東洋医学では、秋の乾燥からカラダのうるおいを守ることを大切にします。 例えば、梨は東洋医学の食養生で、うるおいを補う食材として扱われています。 また、さつまいもやきのこ、りんごなど、秋にはおいしい食材がたくさんあります。 旬の食材を取り入れることも、季節を感じる楽しみのひとつです。

・きのこをたっぷり入れた温かい味噌汁。 ・蒸したさつまいも。 ・少し肌寒い日には、焼きりんごもおいしそうですね。

のどの乾きが気になるときは、こまめに水分をとることも忘れずに。 食材だけで乾燥を防げるわけではありませんが、今の季節に合った食べ方や飲み方を考えるきっかけになります。

「今日は温かいものが食べたいな」 そんな自分の感覚も大切にしながら、食事を楽しんでみてください。

③ 一日の終わりに、今のカラダを感じてみる

寒暖差のある日や、忙しく過ごした日の夜。 布団に入ったときに、少しだけ自分のカラダに意識を向けてみませんか?
  • 肩に力が入っていないかな?
  • 手足は冷えていないかな?
  • 呼吸はどんな感じかな?
もし肩に力が入っていると感じたら、ゆっくり息を吐きながら、肩をストンと落としてみましょう。 無理に力を抜こうとしなくても大丈夫。

今のカラダの状態に気づくこと。 それも、自分を大切にするセルフケアのひとつです。


季節を感じることから、養生を始めてみませんか?

季節は、私たちが意識していても、していなくても、少しずつ移り変わっていきます。 そして、私たちのカラダも、毎日同じ状態ではありません。 昨日は心地よかったことが、今日は少し違って感じられることもあります。 今はどんな季節なのか。 自分のカラダは、どんなふうに感じているのか。 そして、今の自分には何が心地よいのか。 そんなことに、少し目を向けてみる。

季節を感じること。 それ自体が、養生のひとつなのだと思います。

霜降という季節の節目が、ご自身のカラダを見つめるきっかけになったらうれしいです。

秋から冬へ。 自然の移り変わりを楽しみながら、今日の自分に合う養生を見つけていきましょう🍂

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