【10月の養生】食欲・冷え・身体のこわばり。「今の私」に気づく3つのセルフケア
10月に入り、朝晩の風にひんやりとした冷たさを感じる季節になりましたね。
日中はまだ暑さを感じる日もあるのに、朝晩は「寒っ」と思わず肩をすくめる。
そんなふうに、一日の中でも気温差が大きくなるのが10月です。
日が短くなるにつれて、なんとなく寂しい気持ちになったり、人肌恋しくなったりする方もいるかもしれません。
季節が変われば、私たちを取り巻く環境も変わります。
気温、湿度、日の長さ、食べるもの、着るもの、過ごし方。
そして、その変化に合わせるように、私たちの身体や感じ方も少しずつ変わっていきます。
東洋医学では、秋は外へ広がっていた「気」が、冬に向けて少しずつ内側へ収まっていく季節と考えます。
夏と同じ身体のまま冬を迎えるのではなく、私たちの身体も季節とともに少しずつ冬支度をしている。
そう考えると、最近感じているちょっとした変化も、
「調子が悪いのかな?」
だけではなく、
「季節が変わっている。私の身体も変わっているのかも」
と見ることができるかもしれません。
今回は、そんな10月に気づいてほしい身体の変化と、おうちでできる3つのセルフケアをご紹介します🍂
🍁 10月、こんな身体の変化はありませんか?
① 朝晩の冷えで、身体がキュッと縮こまる
朝、外に出た瞬間、
「寒っ!」
と肩をすくめることはありませんか?
気温が下がると、私たちの身体では熱を逃がしにくくするために皮膚の血管が収縮するなど、寒さに対応する反応が起こります。
また、寒いと感じたときには、肩をすくめたり、背中を丸めたり、身体を小さくしたりすることもありますよね。
そんな姿勢が続くと、
- 「肩や背中がこわばっている」
- 「腰まわりが重たい」
- 「なんとなく動きにくい」
と感じることもあります。
大きな不調ではないけれど、なんとなくいつもと違う。
そんなときに、すぐに「悪いところはどこだろう?」と探すのではなく、
「最近、寒くなって身体に力が入っていなかったかな?」
と振り返ってみる。
それも、自分の身体と向き合うひとつの方法です。
② 「食欲の秋」。その“食べたい”はどんな感じ?
秋といえば「食欲の秋」。
新米、さつまいも、栗、きのこ、秋刀魚……。
美味しいものがたくさん出てくる季節です。
「秋になると食欲が出る!」という方もいるのではないでしょうか。
でも同じ「食べたい」でも、よく感じてみると、毎回同じではありません。
「食べたばかりなのに、なんとなく口寂しい」
「疲れていると甘いものが欲しくなる」
「お腹はいっぱいなのに、もう少し何か食べたい」という日もあります。
食欲には、空腹だけでなく、生活習慣や睡眠、ストレス、気分など、さまざまな要素が関係します。
また東洋医学では、胃腸の働きを「脾胃(ひい)」として捉え、季節の変わり目には脾胃の状態にも目を向けます。
だから、「食べすぎちゃダメ」と我慢するのでも、「食欲の秋だから仕方ない!」と決めつけるのでもなく、
「今の“食べたい”って、どんな感じだろう?」
と、一度自分に聞いてみる。
それだけでも、自分の身体に気づくきっかけになります。
③ 乾燥や寒さ。秋から冬へ身体も変化していく
10月は、暑さが落ち着く一方で、空気の乾燥も少しずつ気になり始めます。
「肌がカサカサしてきた」
「喉が乾燥する」
「朝起きたとき、口の中が乾いている」
そんな変化を感じる方もいるかもしれません。
東洋医学では、秋は「肺(はい)」と関わりの深い季節と考えます。
ここでいう「肺」は、現代医学でいう肺という臓器だけを指すものではなく、呼吸や皮膚なども含めた東洋医学独自の身体の捉え方です。
そして、冬に向かうにつれて意識したいのが「腎(じん)」。
こちらも現代医学でいう腎臓そのものとは異なり、東洋医学では成長や生殖、水分代謝などを含めた身体の働きを表す概念として使われます。
「肺が弱るから○○になる」「腎が悪いから冷える」と単純に考えるのではなく、
季節によって身体の感じ方が変わっていくことに目を向ける。そのくらいから始めてみてくださいね。
🛁 10月に試してみたい3つのセルフケア
ここからは、おうちで簡単にできるセルフケアをご紹介します。
でも、3つ全部する必要はありません。
「身体にいいからやらなきゃ!」と、新しいタスクを増やさなくても大丈夫。
今の自分の身体を感じて、「今日はこれかな」と思うものがあったら、ひとつ試してみてください。
1.身体の前側を、ゆっくり伸ばしてみる✨
寒くなって身体が縮こまっていたり、お腹や太ももの前側が窮屈に感じたりするときは、身体の前側をゆっくり伸ばしてみましょう。
① 正座の姿勢から、両手を身体の後ろにつきます。
② 無理のない範囲で、ゆっくり身体を後ろへ傾けます。
③ 余裕があれば、両手を頭の上へ伸ばしてバンザイ。
④ 胸からお腹、太ももの前側が心地よく伸びるところで、ゆっくり呼吸します。
東洋医学でいう「胃」の経絡は、身体の前側を通ると考えられています。
でも、「この経絡を伸ばせば胃が良くなる」ということではありません。
まずは身体を伸ばしながら、「今日はここが張っているな」「右と左で違うな」「ここまでなら気持ちいいな」と、自分の身体を感じてみてください。
※膝や腰などに痛みがある方、妊娠中の方、姿勢に不安がある方は無理に行わず、違和感や痛みがあれば中止してください。
2.足が冷たい日は、足湯+足の小指をくるくる🦶
朝晩に、「足が冷たいな」と感じるようになったら、足湯をしてみるのもひとつです。
洗面器やバケツなどに無理のない温度のお湯を入れて、足元を温めます。
大事なのは、「○分やらなきゃ」ではなく、「あぁ、温かい」と自分が感じること。
足湯のあとやお風呂上がりには、足の指に触れてみるのもおすすめです。
例えば、小指をやさしくつまんで、くるくる。
東洋医学では、足の小指の外側には「膀胱経(ぼうこうけい)」という経絡が通り、膀胱経は「腎」と表裏の関係にあると考えます。
足の指に触れながら、「今日は冷たいな」「こっちは動かしやすいな」「思ったより足に力が入っていたな」、そんなことに気づく時間にしてみてください。
3.温かい汁物で、身体に「どう?」と聞いてみる🍲
朝晩が冷えてくると、湯気の立つみそ汁やスープがおいしく感じるようになりますね。
長ねぎ、生姜、ニンニクなどの香りのある薬味野菜を取り入れのの、秋冬ならではの楽しみです。
「なんとなく甘いものが欲しい」
「何か食べたいけど、本当にお腹が空いているのかわからない」
そんなときには、一度温かい飲み物や汁物を口にしてみる。
そして少し経ってから、「今、どう?」と自分に聞いてみる。
それでも食べたかったら、食べる。もう十分だなと思ったら、食べない。
「食べるのが正解」「我慢するのが正解」ではありません。その日の自分に聞いて、選んでみる。そんな小さなやりとりも、自分の身体を知ることにつながっていきます。
🍂 季節が変わっている。身体も変わっている。それに気づいてみよう
10月だから、このセルフケアをしなければいけない。
秋だから、この食べ物を食べなければいけない。
そんなふうに、養生を新しい「正解」にしなくてもいいと思っています。
季節が変われば、私たちを取り巻く環境が変わる。
探して身体も、その変化の中で毎日少しずつ揺れ動いています。
昨日ちょうどよかったことが、今日は合わないこともある。
去年の秋に心地よかったことが、今年は必要ないことだってあります。
だからまずは、「今日の私の身体は、どう?」と聞いてみる。
足が冷えていたら、今日は足湯をしてみようかな。
身体が縮こまっていたら、少し伸びてみようかな。
温かいものが欲しかったら、みそ汁を作ろうかな。
疲れて何もしたくなければ、今日は何もしない。
それも、自分で選んだひとつの養生です。
健康の「正解」に自分の生活を合わせるのではなく、
自分の生活の中に、その日の自分に合う健康を入れていく。
10月の季節の変化を、そんなふうに自分の身体を知るきっかけにしてもらえたら嬉しいです。
そして、自分で触れてみても、動かしてみても、
「なんだかいつもと違うな」「自分ではよくわからないな」
そんなときは、誰かと一緒に身体を見てみるのもひとつの方法です。
鍼灸やどりぎも、自分の身体と向き合い、自分では気づかなかったことに気づくための場所でありたいと思っています。
10月も、自分の身体と付き合いながら、軽やかに過ごしていきましょうね🍂
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
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