【白露の養生】本格的な秋の始まりに、鍼灸師がお伝えする「うるおい養生」のすすめ
9月7日からは、二十四節気のひとつ「白露(はくろ)」を迎えます。
日中の暑さが少しずつやわらぎ、朝晩の空気がひんやりとする頃。 草花には朝露が結び、ススキが穂を揺らし始め、空の高さや風の質感に、本格的な秋の気配を感じる季節です。
そんな今の時期、 「なんだか鼻や喉がムズムズする」 「お肌のカサつきが気になり始めた」 「朝晩と日中の寒暖差で、身体がどっと疲れる」 そんな変化を感じている方、いらっしゃいませんか?
これは決して不調が「悪化」しているわけではなく、季節の変わり目に身体が一生懸命、外の環境に合わせようとしているサインです。
今日はそんな「白露のカラダ」と、そこに寄り添う養生の考え方を、鍼灸師の視点からゆるっとお伝えしますね。
■ 「白露」の時期、カラダの中で起きていること
東洋医学では、秋は「肺(はい)」が主役になる季節と考えられています。
ここでいう「肺」は、呼吸をする臓器そのものだけを指すのではありません。
鼻や喉、お肌、そして身体の表面を外の刺激からゆるやかに守るバリアのような働き(衛気・えいき)まで含めた、大きな「守りのシステム」としてとらえます。
この時期の身体には、主に3つの変化が起こりやすくなります。
① バリア機能がゆらぎやすくなる
朝晩の急な気温差は、体温を調整する自律神経に負担をかけます。そこに空気の乾燥が加わることで、鼻や喉の粘膜、お肌の水分バランスが崩れやすくなり、ムズムズやカサつきとして表れやすくなるのです。
② お腹まわりの巡りが鈍くなる
東洋医学では、「肺」と「大腸」は表裏一体の関係にあるといわれています。夏の間、冷たい飲み物や食べ物でお腹を冷やしてきた影響が少しずつ表面化し、腸の動きが緩やかになると、それが呼吸器やお肌の乾燥・荒れにもつながっていきます。
③ 気持ちが揺らぎやすくなる
秋は、自然界が「実りを収穫し、ゆっくりスローダウンする」季節。日が短くなるにつれて、「なんだか焦る」「ちょっと寂しい」「あれもこれもできていない」と、気持ちが小さく揺れやすくなるのもこの時期の自然な反応です。
■ 白露をお気楽に過ごすための、3つの養生術
秋を元気に迎えるためのキーワードは、「うるおい」と「内側からのあたため」。むずかしいことをする必要はありません。できることから、ゆるっと取り入れてみてくださいね。
① 加湿と「白い食材」でうるおいチャージ
お部屋の加湿はもちろん、身体の内側からのうるおい補給も大切です。
梨、白きくらげ、豆腐、長芋、レンコンといった「白い食材」は、肺やお腹にやさしくうるおいを届けてくれると言われています。 生の冷たいままではなく、あたたかいスープやお茶にしていただくのが、胃腸を冷やさないちょっとしたコツです。
② お腹をあたためて、バリア機能をサポート
お腹(大腸)の環境を整えることは、そのまま肺のバリア機能を支えることにつながります。
お味噌やお醤油などの発酵食品を普段の食事に取り入れつつ、お腹まわりを冷やさないよう、一枚羽織るものを準備しておくと安心です。
お腹があたたまると、全身の巡りも自然とスムーズになっていきます。
③ 今年の「頑張り」を収穫して、自分をねぎらう
「あれができていない」とできなかったことを探すのではなく、「ここまで頑張ってきたこと」「楽しかったこと」に、そっと目を向けてみましょう。
秋は、これまでの頑張りを収穫する季節。できたことをやさしく振り返りながら、心にゆとりを持って過ごしてみてくださいね。
■ 白露におすすめの、プロのツボケア
【尺沢(しゃくたく)】
場所: 肘を軽く曲げたときにできるシワの上、中央にある太い腱のすぐ外側のくぼみです。
ケア方法: 反対の手で肘を包み込むように持ち、親指で心地よい強さでじんわりと圧をかけます。お灸で温めるのもおすすめです。
働き: 「肺」の経絡上にあるツボで、こもった熱を穏やかに冷ましながら、喉やお肌の乾燥・咳のケアをサポートしてくれます。秋口の呼吸器まわりのお手入れに、ぴったりの一穴です。
■ おわりに
季節の変わり目は、心と身体の「調律期間」。
焦らず、無理をせず、少しペースを落として、「うるおい」と「あたため」でご自分を労わってあげてくださいね。
白露の期間も、みなさんが心地よく、お気楽に過ごせますように。
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